今日、何を食べたか思い出せますか?
今日、何を食べたか思い出せますか?
ふとしたとき、そんなことを考えることがあるんです。
今日の自分、ちゃんと食べたっけ。
何を食べたんだっけ、と。
朝はバタバタしていて、気づいたら何かを口に入れて出かけていて。
昼は仕事の流れで、気づいたら終わっていて。
夜も疲れた体のまま、なんとなく食べて、なんとなく終わる。
気づいたら、「食べた」という事実だけが一日に残っていて、何を食べたのか、どんな味だったのか、もう思い出せないんですよ。
…これ、ぼく自身も長い間ずっとそうでした。
小学校教員をしてた頃、
給食を毎日いただいていたんだけど、
食事の時間は、2分でした。
朝は忙しくて、プロテインだけ。
夜は、なんとなくチェーン店で外食。
忙しくなると、食事はどんどん「作業」に近づいていきます。
栄養を摂るためのもの。お腹を満たすためのもの。
それはそれで、仕方のないことだと思うんです。
無理に丁寧な暮らしをしようとしなくていいし、毎食を特別なものにしなくていい。
ただ、少しだけ立ち止まって考えると、
それって、けっこう寂しいことでもあるな、と。
食べるって、本来もっと豊かな時間のはずで。
香りがあって、温度があって、噛んだときの感触があって。
そういうものをゆっくり味わう時間が、いつの間にか、静かに消えていく。
では、どうすればいいかなって。
ぼくが思うのは、すごく小さなことでいいということです。
今日の食事で、ひと口だけ、ちゃんと味わってみる。
スマホをちょっと置いて、その一口に静かに集中してみる。
「あ、こんな味だったんだ」と気づくだけで、
不思議と、少しだけ時間の流れが変わるような感覚があります。
体も、気持ちも、じわっと落ち着いてくる。
がんばって「整える」必要はないんです。
どちらかというと、「思い出す」に近い感覚かもしれません。
もともと自分の中にあった感覚を、少しずつ取り戻していくような。
そんなイメージです。
もし最近、食事の記憶がないな、と感じることがあったら。
まずは一口だけ、味わってみませんか?


