食べた後に、体が軽くなる料理をつくりたい。
昨日、ふとそんなことを思いました。
いや、ふと、というより、
ようやく言葉になったのかもしれません。
薬膳厨房つきひのオープンに向けて、いろいろなことを考えています。
どんな料理を出すのか。
どうやって注文してもらうのか。
お弁当なら、容器はどうするのか。
お店に来てもらうなら、お皿はどうするのか。
チラシは。
Instagramは。
告知は。
考えることが、どんどん出てきます。
嬉しい悩みです。
でも昨日、少し立ち止まったんです。
あれ。
ぼくは、見えるところばかり見ていたかもしれないな、と。
先週、営業許可をいただきました。
約10ヶ月かけて進めてきた厨房づくり。
自分で手を動かして、DIYをして、
ようやく審査を通過しました。
一応これで、薬膳厨房つきひの厨房は完成したことになります。
うれしいです。
ほんとうに、うれしい
。
本格的なオープンは、10月あたりを考えています。
そうすると、9月くらいから告知も始めていく必要があります。
だから今、目に見える準備がどんどん増えています。
料理。
容器。
お皿。
チラシ。
発信。
注文の仕組み。
お客さんに触れてもらうところ。
見てもらうところ。
手に取ってもらうところ。
ぼくは、そこばかりを見ていました。
でも、このまま「お弁当屋さん」や「仕出し屋さん」、「食堂」のように始めてしまったら、
ぼくが本当に大切にしたいことが、
お客さんに伝わらないまま走り続けてしまうかもしれない。
たぶん、流行ると思うんです。
薬膳厨房つきひは、この町で必要としてもらえる気がしています。
だからこそ、怖い。
流行るからこそ、
早く始めることよりも、
見えないところを整えることが大事なのだと思いました。
では、薬膳厨房つきひは、
何を大切にしたいのか。
「健康に良い料理」
「体調を整える料理」
それは、もちろん大切です。
でも、それだけだと、
まだぼくの言葉ではない気がしています。
薬膳は、
一人ひとりの身体の具合や、心の調子に合わせた、
思いやりの料理。
そう言うことはできます。
でも、それは薬膳をわかりやすく説明した言葉であって、
まだ、薬膳厨房つきひの言葉ではない。
もっと、ぼく自身の思いに寄り添った表現が必要なのだと思います。
たとえば、
午後の農作業がもっとはかどる料理。
午後のパソコン仕事に集中できる料理。
夜ぐっすり眠って、今日の疲れを癒す料理。
次の日の朝、すっきり目覚められる料理。
そういう言い方のほうが、
ぼくにはしっくりきます。
薬膳には、よく使われる言葉がたくさんあります。
気血を補うとか、
腎をいたわるとか。
もちろん、それは大事です。
でも、お客さんに届けるときには、
それをそのまま渡すだけでは届かないことがあります。
ぼくが持っておきたい柱は、
もっと暮らしの中の言葉です。
食べた後に、体が軽くなる料理。
これです。
ごはんを食べたら、体重は重くなります。
当たり前だよね。
食べた直後は、みんな重くなる。
でも、食事をすると、消化のために血液がお腹に集まって、
頭がぼーっとしたり、
午後に眠くなったりすることがあります。
ぼくも、けっこうありました。
でも薬膳の考え方や料理を取り入れるようになってから、
午後に眠くなることが、ほとんどなくなりました。
これは、ぼくにとってかなり大きな体の変化でした。
食事の本質って、
本当は次の活動をしやすくするためのエネルギーなのだと思います。
ゆっくり味わって、
でも、食べた後にまた走り出せる。
午後の農作業に向かえる。
机に戻って、集中できる。
夜なら、ぐっすり眠れる。
そんな料理があったら、すごくいいと思うんです。
そう考えると、
料理の価値は、食べている時間だけではありません。
もちろん、
「おいしいな」
「味わい深いな」
と思ってもらえたら、とてもありがたい。
でも、薬膳厨房つきひの料理の本当の価値は、
お店を離れた後にあるのかもしれません。
お弁当を食べ終わって、
午後の仕事が始まったとき。
夕食を食べて、
夜に眠りについたとき。
次の日の朝に目が覚めたとき。
そのときに、
「なんか、調子がいい」
と思ってもらえたら、
薬膳厨房つきひの料理は、正解なのだと思います。
食事の時間だけではなく、
食事の後にじわじわ効いてくること。
そこに、ぼくがつくりたい料理の本質がある。
昨日、そんなことに気づきました。
だから今、
チラシを作る前に、
メニューを決める前に、
注文方法を整える前に、
まずは見えないところを磨いています。
薬膳厨房つきひで、何をやるのか。
そして、何をやらないのか。
その料理の哲学を、磨いているところです。
やりながら、また変わっていくと思います。
でも、今のうちに立ち止まっておかないと、
大切なことを置いたまま、走り出してしまう気がするのです。
見えるところは、これから整えていきます。
告知もします。
チラシも作ります。
Instagramも作ると思います。
でもその前に、
食べた後に、体が軽くなる料理。
この言葉を、ぼくはちゃんと手の中に持っておきたい。
お皿の上だけではなく、
その人の午後や、
その人の眠りや、
その人の明日の朝まで届く料理。
薬膳厨房つきひは、
そんな場所として、少しずつ開いていけたらと思っています。
あなたは最近、食べた後の自分の体の声を、どんなふうに聞いていますか。
これは、せわしなく生きてきた自分が、
“暮らしを取り戻そうとしている記録”です。
“味わう暮らし”を一緒に取り戻す仲間になっていただけたら嬉しいです。







